MDR-CD900 シリーズでは、40mm のドライバーが使われています。このページでは、MDR-CD900、MDR-CD900CBS/MDR-CD900ST、MDR-V6、MDR-7506 各機種のドライバーについて、出荷ロットによる違いなどを紹介します。
初代 MDR-CD900 (民生品) のドライバーは、サマリウムコバルト磁石とダイヤモンドアモルファス蒸着振動板が使われている。大きく分けて2種類あるが、ほとんどが前期ロットのもの。
↑MDR-CD900 のドライバー。黒くて平べったい磁石が特徴。白いレジスター部に「D」の印字がある。
↑後期ロットは、写真のように磁石のエッジが丸くなり、コードを接続する基盤が大きくなった。磁石は MDR-V6 の中期ロット、MDR-7506 の初期ロット、MDR-CD900CBS、MDR-CD900ST の初期ロットと同様と思われる。「D」の印字があるのが特徴。
MDR-CD900CBS は、MDR-CD900 を ソニー CBS スタジオ向けにカスタマイズしたモデル。MDR-CD900 と同様のドライバーだが、レジスター部の空気抜きが 1 個追加され、2個になった。
↑MDR-CD900CBS と MDR-CD900ST の初期ロットは、サマリウムコバルト磁石仕様。レジスターの空気抜きダクトが、当初からある丸形 1 個に加えて、あとから切り欠きにより追加されている、。ソニー CBS スタジオ向けに納品された「MDR-CD900CBS」は、ハウジングに CBS シール(SONY CBS GROUP INC)が貼られていた。MDR-CD900ST の初期ロットは、「MDR-CD900」表記のまま CBS 以外のスタジオ向けにも供給された。
↑MDR-CD900ST の前半ロットのドライバー。MDR-CD900CBS のタイプとほぼ同じだが、空気抜きのダクトは最初から 2 か所を切り抜く形になった。このあたりまではサマリウムコバルト磁石採用。
↑MDR-CD900ST の中期ロット。ネオジム磁石に移行する過渡期。マグネットの色は黒から銀に変更。コードを接続する基盤が茶色。この世代の音が、一番迫力があって元気な印象。
↑MDR-CD900ST の中期以降のロット。ロットのスタンプが3桁の時代のもの。見た目は現行ロットとほぼ同じになった。
↑MDR-CD900ST の現行部品。写真のものは青いマーカーで「B」とあるが、「A」のものもあった。音の迫力は中期ロットに軍配が上がるが、現行品のほうがキラキラしていて、バランスも最良と思われる。
MDR-V6 は、MDR-CD900 の海外版として販売されたので、初期のドライバーも MDR-CD900 とほぼ同様(振動板は PET 材)。中期サマリウムコバルト磁石のロット以降は、MDR-7506 と共通部品となった。
↑初期のドライバー。MDR-CD900 とほぼ同じ。MDR-CD900にある「D」の印字はない。振動板の違いはあれど、おおむね同じような音質が得られる。
↑中期のドライバー。サマリウムコバルト磁石だが、エッジにやや丸みが出た。MDR-7506 の初期ロットと共通。繊細寄りの初期ロットに比べるとだいぶ音に迫力が出てきた。
↑サマリウムコバルト磁石からネオジム磁石への移行期。磁石のカラーは黒色から銀色になったが、基盤は茶色を踏襲。
↑後期ドライバーはネオジム磁石。引き続き MDR-7506 と共通部品。ダクトの穴は最後まで1つだった。良い意味で今風の音で、なんだかんだで一番いいかも。
大きく分けて、初期のサマリウムコバルト磁石のものと、後期のネオジム磁石のものがある。移行期には MDR-CD900ST と同様に茶色基盤のものがあった。
↑初期のドライバー。MDR-V6 の中期ロットと同じ。人気のサマリウムコバルト磁石。ダクトは丸い穴が 1 つで、MDR-CD900 や MDR-V6 を踏襲する形。
↑同じく初期のドライバー。スタンプされているロット番号はだいたい 3 桁。
↑中期のドライバー。茶色い基盤が特徴で、ネオジム磁石への移行期。迫力、バランスともに良い感じ。個人的には初期のサマリウムコバルトより好印象。
↑後期のドライバー。ネオジム磁石で、MDR-V6 の最終ロットと共通部品。ダクトの穴はやはり1つ。音は申し分ない。