SONY Compact Disc Recording Unit

SONY CD-R レコーダー

いろいろな検索サイトを経由して、CDU9xx シリーズの情報を求めてアクセスされる方が多くあるようなので、今まで日記の中でちょこちょことメモ書きを残してきたものを、加筆修正して常設することにします。基本は自分用のメモ書きのようなものですが、皆様のご参考になれば幸いです。

ただし、製品に対する評価には、少ながらず私の主観が含まれていますので、その点はあらかじめご承知おきください。また内容には十分配慮して記述しているつもりですが、内容の確実性を保証するものではありませんので、あわせてご了承ください。

CDU920S

CDW-900E の後継 (廉価版) として発売されたモデルです。20 万円を超す高価格でしたが、当時は CD-R 自体が貴重なプロ用の機材だったこともあり、むしろ手ごろに入手できる機材として重宝されました。

SONY からは、CDU921S として外付けモデルが販売されました。ケースの外見は、SONY および OEM 各社から発売された 5 インチ MO ドライブと同様です。熱を多く持つ性質があるため、搭載された 6cm ファンが高速に回転してドライブの冷却を促す仕組みになっています。ファンのモーター音と風切音はかなりのものです。

前期ロットは、背面に設置されたファンが吸気向きについているのが特徴です。ファンの外側にはフィルタが設けられ、チリやホコリの侵入を防ぎます。後期ロットのファンは、一般的な外付けストレージデバイスと同様、排気向きについており、フィルタはありません。外付けケースの筐体が CDU524R や CDU526R と同様の外見の CSP-9211S は、海外を中心に流通したようで、国内では中古市場で目にすることがあります。

ドライブ自体にもロット差があります。前期ロットは、デバイスタイプが WORM (Write Once Read Many) Device 専用であるため、CD-ROM ドライブとして扱うには、Windows2000 等の WORM デバイスに対応した OS、もしくはデバイスドライバが必要です。後期ロットでは、背面のジャンパピン (DeviceType ピン) により CD-ROM と WORM を切り替えることができます。ピンをショートさせない状態では CD-ROM 扱いになりますので、後継機種の仕様に近づいたといえます。

ファームウェアは 1.0x 系統と 2.0x 系統があります。違いは、メディアストラテジのほか、対応ライティングソフト (DirectCD や CDRFS か) への対応状況の変更などのようです。

このドライブを使ってオーディオ CD を作成すると、力強く、かつ透き通った素晴らしい音質に仕上がります。PLEXTOR 製のドライブで書き込んだ CD も良いのですが、それとはまた違った肉厚感のようなものがあります。また CDU948S ほどクセがないので、比較的万人受けする優等生的な音質だと思います。CD-R フリークな方で、まだ試したことのというない方は、ぜひお試しください。といっても、最近はあまりお目にかかれなくなってしまいましたが。

諸元 (主な仕様データ)
転送速度 書き込み2倍速, 読み込み2倍速
バッファメモリ 2MB
ローディング方式 キャディ
書き込み方式 Disc At Once, Track At Onc, Packet Write
インターフェイス SCSI
モデル
  • SONY:CDU921S, CSP-9211S
  • Logitec:LCW-740, LCW-740S
  • Olympus:CDS615E
  • OptimaDisKovery:650 CDR
  • Smart&Friendly:CD-R 1002/PRO
  • Microboards:PlayWrite 2000
  • ヤノ電器:CDR300II

(主観ですが)長所と短所を簡単に示します。

長所と短所
長所
  • クリアで力強い音質
  • 万人受けしそうな高音質
  • 安定動作
  • 純正外付けモデルは外見がかっこいい
短所
  • CD-TEXT を書き込めない
  • 書き込みに時間がかかる
  • 発熱が大きいので対策が必要
  • キャディーの取り扱いが面倒
  • 対応ライティングソフトが少ない
  • 使用メディアに気を配る必要あり

CDU924S

CDU920S の後継モデルです。正面のデザインは CDU920S とまったく同じなので、一見区別がつきません。OEM 版を中心に、キャディー挿入口の配色がグレーのモデルもあるので、この場合は見分けることができます。スペックは、読み込み速度が 4 倍速まで拡張されている一方で、バッファメモリは 1MB に減らされています。全体的な構造は CDU920S とほぼ同様の構造ですが、内部の部品は共通であるものと作り直されているものがあり、設計には違いが見られます。

国内では、SONY 純正の外付けモデル CDU524R や、NEC、バッファロー (メルコ) などからの OEM 製品が多く流通しました。CDU524R のケースは、往年の SCSI 機器らしく、ずっしりと重たい電源装置が組み込まれており、それだけでも安心感がありました。後継機種 CDU526R のケースと比べても、しっかりした電源 (出力を計測したわけではないのであくまで見た目での判断ですが) が印象的でした。海外では、CDU921S のケースに入れられ、CDU921S mk2 として流通していたこともあるようです。

ファームウェアは、CDU920S 同様、1.0x 系統と 2.0x 系統があります。CDU524R などの SONY 純正モデルは 1.1d、NEC への OEM モデルでは 1.1l、バッファローへの OEM では 2.0a がそれぞれ設定されていることが多いようです。ドライブ自体の挙動や傾向も CDU920S に似ていますが、CDU920S ほどの発熱はないように思います。

音楽 CD 作成したときの音質は、CDU948S とも CDU920S とも違った感じに仕上がります。どちらかといえば CDU920S に近いですが、ややおとなしい感じです。私の個人的な感想では、CDU920S の方がはるかにくっきりすっきりな印象を受けます。ただ、人によっては CDU924S の素直な音質の方がより好印象だと感じる方もいるでしょう。

数年前までは中古市場で頻繁に目にしましたが、このドライブも、最近はすっかり珍しくなってしまいました。秋葉原のジャンク街でさえ、SCSI 関係は斜陽になって久しく (もはや収束か)、なかなか見つからなくなりました。手ごろな価格で入手できる機会がありましたら、ぜひお試しください。

諸元 (主な仕様データ)
転送速度 書き込み2倍速, 読み込み4倍速
バッファメモリ 1MB
ローディング方式 キャディ
書き込み方式 Disc At Once, Track At Once, Packet Write
インターフェイス SCSI
モデル
  • SONY:CDU524R, CSP-9411S, CDU921S mk2
  • Logitec:LCW-742
  • Olympus:CD-R2x4, CDS620E
  • Smart&Friendly:CD-R 2004/PRO
  • ヤノ電器:CDR300III
  • BUFFALO:CDS-R2W4R
  • NEC:PC-9821Ct20, PC-9821V200 (初期)

長所と短所を簡単に。

長所と短所
長所
  • 音質は良好
  • クセのない音質
  • 安定動作
  • 比較的容易に入手可能 (2010年時点ではやや難)
短所
  • CD-TEXT が書き込めない
  • 書き込みに時間がかかる
  • キャディーの取り扱いが面倒
  • 対応ライティングソフトが少ない
  • メディアの相性が厳しいことがある

CDU926S

このシリーズの廉価版の位置付けでしょうか。キャッシュの容量、書き込み速度ともに中途半端なドライブです。何より残念なのが、Disc at Once に対応していないことです。プレマスタリング用途でなければ必要ないと思われるかも知れませんが、音楽CD (CDDA) 作成の際、曲間の設定などに支障があったりと、何かと不便です。Disc at Once に対応していれば、CDU シリーズ中で、もっと目立った存在になっていたはずです。

ドライブユニット部は、後述の CDU948S、CDU928E と共通なので、基盤側の設計次第では、少なくとも CDU948S 相当のスペックは維持できるそうです。にもかかわらず、このようなスペックで設計されているということは、何らかの技術的、販売戦略的な事情があったことが考えられます。CDU948S の修理部品として確保しておく人もいるようです。新たな利用方法などが見つかるとおもしろいのですが。

諸元 (主な仕様データ)
転送速度 書き込み2倍速, 読み込み6倍速
バッファメモリ 512KB
ローディング方式 キャディ
書き込み方式 Track At Once, Packet Write
インターフェイス SCSI
モデル
  • SONY:CDU526R, CSP-960S, CPS-9611S
  • Logitec:LCW-747S, LCW-DV747SK, LCW-747M, LCW-M747SK, LCW-7206/PS
  • Olympus:CD-R2x6
  • Smart&Friendly:CD-R 2006/PRO
  • ヤノ電器:CDR300IV
  • BUFFALO:CDS-2W6R

主な特徴です。

長所と短所
長所
  • 安価で入手可能
  • CDU948S の保守パーツとして流用可能
  • 発熱はそれほどシビアでない
短所
  • Disc at Once に対応しない
  • CD-TEXT が書き込めない
  • 書き込みに時間がかかる
  • キャディーの取り扱いが面倒
  • 対応ライティングソフトが少ない

CDU948S

音質に定評のある定番ビンテージドライブです。CD-R レコーダーがコンシューマーにも普及し始めた時期に、広く出回った機種です。ロジテックからは、そのモデルバリエーションの多さからもわかるように、かなりの台数が長い間流通しました。SONY や SCE (プレイステーション部門) のプレマスタリンスに使われたという話題や、CDDA 書き込み音質などに注目が集まったことも手伝い、メーカー出荷完了後も中古市場をにぎわすことになりました。結果として、ロングランとなりました。

ソニーからは CDU921S (CDU920S 搭載) の後継機として、CDU948S を搭載した CDU921S-PR が販売されました。業務用モデルは、構成パーツの厳選や高精度なテストなどにより品質を確保し、民生用との差別化を図っていたようです。業務用モデルの中には、クロックジェネレータ (発振子) を水晶に交換したものもあったようです。水晶の発振でクロックを生成するほうが、セラロックで生成するよりも、より高い精度のクロックが得られるためです。ただし、これらは特別に注文する必要があったという情報もあるので、基本的な設計はどれも同一だと考えて問題なさそうです。業務用モデルは、収録スタジオ向けに販売されたほか、PlayStation ソフトのマスタリングに用いられた最後のドライブとして知られています。

ドライブユニットは CDU928E、CDU926S と共通設計のため、故障時に交換して修理することができます。

このドライブが有名になった大きな理由のひとつが、CDDA を作成したときの音質の良さです。音質の良し悪しは、人によっての好みが大きく影響しますので、高音質と表現するよりは、独特の音質と言ったほうが適切かもしれません。そのようにあらかじめことわっておきながら、ですが、少なくとも私の主観では、抜群の音質だと評価しています。CDU920S の音質とは違った種類の質感があり、人によっては、CDU920S よりも高く評価することもあるでしょう。

音楽 CD の音質については、プレクスターから販売されている最近のモデルで書き込んだ CD のほうが、多くの人の好みに合致すると思います。その一方で、SONY の旧式ドライブ (特に CDU948S) の、ライブを思わせる、澄み切った艶やかな音質は特筆に値します。さらにリジット化を施すとその傾向は顕著となります。中古価格も落ち着いてきています (2008 年現在) ので、興味のある方はぜひ一度試してみてください。時間に余裕のある方はさらにリジット化などを施して遊んでみるのも面白いと思います。

諸元 (主な仕様データ)
転送速度 書き込み4倍速, 読み込み8倍速
バッファメモリ 2MB
ローディング方式 キャディ
書き込み方式 Disc At Once, Session At Once, Track At Once, Packet Write
インターフェイス SCSI
モデル
  • SONY:CDU921S-PR, CDU948S/X
  • Logitec:LCW-748S, LCW-D748SK, LCW-748M, LCW-7408/PS, LCW-7408/MP, LCW-7408/SK, LCW-7408/PE, LCW-7408/M, LCW-7408
  • アイ・オー・データ機器:CDR-SX48

主な特徴です。

長所と短所
長所
  • CD-TEXT 書き込み対応
  • 低価格で高音質
  • 音質は艶やかな仕上がり
  • リジット化・クロック交換など遊びの要素もある
  • 安定動作
  • 最近のメディアにもある程度耐えられそう
  • 入手が比較的容易 (2010年現在)
  • DAO・SAO・TAO・PW 全対応
短所
  • 独特な雰囲気の音質なので好まれないかも
  • 最近のドライブに比べると書き込みに時間がかかる
  • キャディーが面倒

CDU928E

CDU926S とほぼ同等のスペックですが、読み込み速度が 8 倍速まで拡張されたほか、インタフェースとして、SONY の CD-R ドライブで初めて ATAPI が採用されました。かつて CD-R ドライブといえば SCSI 接続が当たり前でしたが、このドライブが出回るころにはパソコンのスペックが向上し、ATAPI 転送も安定化してきました。これにともない、インターフェイスが ATAPI へと変更されたようです。

流通面では、NEC 製、富士通製のデスクトップ PC に内蔵されて出回ったものがほとんどです。それまでの CD-R ドライブを搭載したモデルの PC は、SCSI ホストアダプタを PCI バスに内蔵し、これにドライブを接続していたため、コスト的がかかっていました。このドライブ以降、SONY の 5 インチベイ搭載用の CD-R ドライブは ATAPI 接続となります。

CDU926S 同様、Disc at Once に対応していないのが残念です。Disc at Once に対応していれば、USB や IEEE1394 に変換するなどして、利用価値もグンと大きくなったはずです。技術的な都合なのか、それとも販売戦略上の事情なのかが気になるところです。基盤側はさておき、ドライブユニット側の造り自体は CDU948S 同等なだけに、残念に思います。

諸元 (主な仕様データ)
転送速度 書き込み2倍速, 読み込み8倍速
バッファメモリ 512KB
ローディング方式 キャディ
書き込み方式 Track At Once, Packet Write
インターフェイス ATAPI
モデル
  • BUFFALO:CDR-28N
  • NEC:PC-9821V200 (後期), VS30D, VM35/3
  • 富士通:FMV シリーズ

以下、主な特徴です。

長所と短所
長所
  • 安価で入手可能
  • CDU948S の保守パーツとして流用可能
短所
  • Disc at Once に対応しない
  • CD-TEXT が書き込めない
  • 書き込みに時間がかかる
  • キャディーの取り扱いが面倒
  • 対応ライティングソフトが少ない

SCSI 環境について (おまけ)

SCSI を使った経験がない方にとっては、SCSI 環境の新たな構築は面倒に思われるかも知れません。かつては数万円したホストアダプタ (インターフェイスボード) も徐々に値段が下がり、最近では新品でも数千円、中古であれば千円未満で入手可能になりました。

Adaptec 製の AHA-2940 シリーズのような定番ボード (オーディオでいうところの Sound Blaster 互換のような感じ?) であれば、Windows が標準ドライバを持っていますので、PCI バスに装着するだけで使い始めることができます。ノートパソコン用の PCMCIA カードのタイプであれば、より手軽です。

SCSI 環境を構築するためには、最低限以下のような注意が必要です。ただし、CD-R ドライブを 1 台つなげることだけを考えるのであれば、それほど難しいことではありません。

かつては SCSI ボードと他の機器との相性問題に悩まされましたが、AHA-2940 シリーズであれば、まず問題ないでしょう。

最近のパソコンは、高クロック化、高スペック化、スピンドル装置が高速化しており、パソコン自身もたくさんのノイズを発しています。これらのノイズが、CD 書き込みの品質に悪影響を与える可能性があるため、安定した書き込みができる最低限のスペックのパソコンを用意するのが理想だという意見もあります。しかしながら、CD 書き込みのためにパソコンを用意するのは大変だと思いますので、SCSI ドライブを使うときだけ、手持ちのマシンに SCSI ボードを取り付けるという使い方もありでしょう。

もっと手軽な手段として、各社から発売されている「SCSI→USB2.0 変換ケーブル」を使うという手もあります。ほとんどの場合、USB ポートにつなぐだけでドライバインストールも不要 (Mass Strage Device として認識されることが多い) なので、すぐに使うことができます。ライティングソフトも、たいていの場合はきちんと認識してくれます。ただし、データ転送の過程で変換ブリッジを経由することが、CD の書き込み品質に影響を及ぼすという考え方もある (どこかで調査したデータなどがあればいいのですが) ので、クオリティにこだわるのであれば、やはり SCSI 接続で使うのが無難です。

総評

ドライブのスペックは各社メーカーカタログや各種ウェブサイト上の情報から、文章は知りうる知識と個人的な感想、評価をもとにまとめました。特に評価については、私個人の判断にすぎませんので、まったく反対のご意見を持つ方もいることでしょう。私の私見を強くアピールし、同意を求める意図はまったくありませんので、その点ご理解ください。

疑問、質問、提案、情報、感想等ございましたら、こちらまでお寄せください。